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20247月31

新聞報道

2024年7月30日に発生した秋田・山形における大雨に関するコメントが下記新聞記事に掲載されました。


万田敦昌 (2024/7/31): 台風3号大量の水蒸気供給 日本海の高い海面水温影響. 北日本新聞.

万田敦昌 (2024/7/31): 【秋田・山形大雨】台風、水蒸気を大量供給. 福井新聞.

万田敦昌 (2024/7/31): 秋田・山形、記録的大雨 日本海の高い水温影響か 識者「大雨続く可能性ある」. 秋田魁新報.

万田敦昌 (2024/7/31): 大雨災害 台風が水蒸気大量供給 日本海の高い海水温も影響. 東奥日報.


2024年7月1日

論文出版


米国地球物理学連合 (American Geophysical Union)の学会誌 (Earth and Space Science)から論文を出版しました 。

発表論文 

Manda, A., Tachibana, Y., Nakamura, H., Takikawa, T., Nishina, A., Moteki, Q., et al. (2024). Intensive radiosonde observations of environmental conditions on the development of a mesoscale convective system in the Baiu frontal zone. Earth and Space Science, 11, e2023EA003486. https://doi.org/10.1029/2023EA003486 

研究の概要 

本研究では,梅雨期の集中豪雨の要因となることも多いメソ対流システムの発達要因について調べました。メソ対流システムに関しては,発生地点近傍の観測データが十分でないこともあり,そのメカニズムについては不明な点が多く残されています。特に異なる高度における水蒸気輸送が果たす役割については,議論の対象となっていました。本研究では2022年6月に大規模な現地観測を行い,これまでにない稠密かつ高頻度の大気観測データを得ることに成功しました。

この降水システムは、海面付近と海面上空の2つの非常に湿った気塊の流入が鉛直方向に重なることで発達しました。海面付近の湿った空気は大気を不安定にし、上空の湿った空気は対流の弱まりを抑えることで,降水システムの発達に貢献していました。降水システムが発達する可能性のある領域は、自由対流圏の湿度分布のわずかな変化に敏感であることが分かりました。

本研究で得られた知見は、自由対流圏における湿潤空気の流入が、表層付近の静的安定性と梅雨前線内の降水システム発達との関係を多様化させる重要な要因であり、湿潤空気の輸送をより包括的に理解することで、対流系の予報をより正確に行うことができる可能性があることを示しています。


2023年3月30日

WILY Top Downloaded Article 2021受賞


2021年に米国地球物理学連合 (American Geophysical Union)の学会誌 (Geophysical Research Letters)に発表した万田敦昌准教授の学術論文が, 世界有数の学術出版社WILEYの2021年の最多ダウンロード論文(Top Downloaded Article 2021)に輝きました。

発表論文 

Zhao, N., Manda, A., Guo, X., Kikuchi, K., Nasuno, T., Nakano, M., et al. (2021). A Lagrangian view of moisture transport related to the heavy rainfall of July 2020 in Japan: Importance of the moistening over the subtropical regions. Geophysical Research Letters, 48, e2020GL091441.

研究の概要 

この論文では令和2年7月豪雨発生時の水蒸気の起源をシミュレーションによって調べました。その結果, 熱帯から流入する大量の水蒸気の過半は日本列島に到達する前に降水として消費されてしまうことを明らかにするとともに, 西太平洋亜熱帯海域における蒸発と対流活動による対流圏中層での加湿の重要性を示しました。 豪雨発生時における日本列島に流入する水蒸気の起源を明らかすることは,気候変化に伴う豪雨の変化を解明する上で重要な課題であり,本研究の成果は豪雨の将来予測の不確実性を減ずるための重要な成果の一つと考えられます。